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祭祀場がつなぐ「炎の導き」

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普遍にこそ人は集い、未知にこそ人は惹かれるのだ!

 

ダークソウルにおいてもっとも基本となり、しかしもっとも謎の多い場所「火継ぎの祭祀場」。物語の拠点となり、あまりにもその存在が当たり前すぎて逆に盲点だったそもそも祭祀場ってなんなのよ?

その謎の核心に迫るにはあまりにも情報が断片的すぎるのだが、せめて疑問を提示するくらいには考察してみたいと思う。そこから導き出される答えは貴公次第。それが正しいフロム脳の働かせ方なのだろう。 

 

(もくじ)

 

★そもそも火継ぎって必要なのか?

「火継ぎの祭祀場」はそもそも、誰が何の目的で建てたのだろうか。「火継ぎ」と銘されているのだから、当然そのために建てられたのだろうというのは分かる。しかし、であれば、王たちはなぜ火継ぎを拒んでいるのだろうか?火継ぎは後世に必要な儀式であり、そのための場もある。であれば当然、「火、継げばいいじゃん」と考えるのが極々自然、当たり前である。「王が玉座に戻らぬならばその薪を戻せばよい」という火のない灰どものサイコパス極まる思考回路も、ある意味この世界ではまともな考え方とも言える。

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▲駄々こねるお前らが悪いんだぜぇ…。

 

・火を継ぐ=死ではない

現薪の王の一人クールラントのルドレスは、唯一の火継ぎ肯定派である。さらに彼は過去火を継いだ経験を持つとも自称する。

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彼自身もまた不死であり、つまり前回火を継いだ際には死にはしなかったということだ。その際の燻りはいまだ残っているとはいえ。

しかし火継ぎの際にはドロリと溶け王冠のみが残り、とても生きているとは呼べない状態。ここからまた再生するのか、はたまた不死の特性でどこか別の篝火で復活しているのか。どちらにせよ、ともかく、火を継ぐ」ことは「自身が消えうせる」ということではないはずである。

であればだ。薪の王連中は、別に死ぬことを(つまりはこの世から消えることを)怖れているわけではない。火を継いだ先の未来を怖れているのである。王であればこそ、自分一人の命で世界を救うのであれば喜んで身を差し出すだろう。しかし火継ぎとは、薪とはそんな生易しい話ではない。身を差し出す一歩先が崖っぷちなら誰さえ飛び込むはずもない

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…でもなぁ。死なないにしても、こんなに苦しむのならそれだけで継ぎたくなくなるよなぁ。逃げられないように脚も切り落とされてるし。死ぬよりも恐ろしい苦痛って、そんなのある?

 

・謎多き女「火防女」

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火継ぎに関しては欠かすことのできない存在火防女。読んで字のごとく、彼女の存在意義は火継ぎの刻まで火を保つことである。

火防女からしてみれば、当然火継ぎはすべきことであり、火を継がない未来は最も恐ろしい裏切りだという。ルドレスもまた同じような発言をする。

この「裏切り」とは代々火を継いできた火防女に対するものなのだろうが、だがしかし、代々の火防女たちとルドレスは「火を継がなかった未来」を知っているのだろうか?その未来がどうなるかを分かったうえで否定するのなら良いのだが、どうもただ慣習に従っているだけのようにも聞こえる。あるいはただ憶測で物を測っているのか。

だって、今まで火を継がなかったことなんて今まで一度もないんだもん。

考えてみれば当たり前だ。現実で過去起こっていないことは、どうあがいても妄想でしかない。彼女らはただ、盲目的に、火継ぎを賛美しているだけにすぎないのである。

 

・「火を継がなかった過去」はあるのかもしれない

「今まで火が継がれなかったことはない」とは明言してしまったが、もしかすれば実はあったのかもしれない(二転三転して申し訳ないが、あくまで可能性の一つとして)。3の火防女の口ぶりを見るに、少なくとも彼女が存在していた時にはそんな事実はなかったのだろうが、とりあえず世界の歴史として可能性は0だとも言い切れない。

明確に地続きの前作である無印では確かに「闇の王エンド」として火を継がない選択肢もあった。その後また別の者によって火が再興した可能性もあるが、なんにせよ火が存在しない期間は確かに存在していたということだ。

この時の世界の変わりようを目の当たりにしたからこそ、後世の人間は火継ぎに躍起になっているのかもしれない。火防女が火防女たるのは、単なる使命のためなのか、あるいは過去の実例から倣っているのか。真相は定かではないが、可能性としてはどちらもあり得る考え方である。

 

しかし…。当然ダークソウルなのだし、シリーズものなのだから無印や2であったことはそのまま3にも影響しているはずである。であるならば、オーンスタインはアノール・ロンドを去る前にプレイヤーに倒されているはずだし、グウィンドリンもエルドリッチに吸収される前に死んでいるはずである。他にもいろいろあるが、要はシリーズ間の設定で矛盾が生じており、つまり前作までのプレイヤーの行動のほとんどがなかったことになっているのである。

無理やり埋めるならば「倒したやつは実は偽物だった」とか、「プレイヤーの存ぜぬところで復活していた」などと補完することもできるだろう。当然、それを否定することはできないし、真実は生みの親ソウルマスター宮崎にしか分かりえないことではある。

まぁ、だからこそ妄想のし甲斐があるというものなのだが。

 

 

★ダークソウルはパラレルワールドの集合体である

ダークソウルの世界はその構成自体が非常にあいまいで、時間や時代、あるいは自分がいる基本世界さえも常に揺らいでいる。そしてその不安定さを利用したのがろう石やオーブによる召喚・侵入システムである。これらのアイテムを介して、霊体は時空を超えて他人の世界に介入できるし、されるのだ。

こうした話題になるとたびたびゾリグが挙げられるが、あの奇妙な白ゾリグvs実体ゾリグも別におかしな出来事ではない

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▲自分を殺すのってどんな気分なんだろうな

彼らは厳密に言えば別人(もっといえば平行世界の本人なのだが)であり、白サインを出しているゾリグは、時空を超えてつながった別世界のゾリグであり、自分(プレイヤー)を中心とした世界にいる実体ゾリグとはまた別の存在なのである。さらに言えばカーサスの地下墓で侵入してくる闇ゾリグもまた別人の可能性もある。

つまり、侵入したり白サインを出したり散歩しているのが全て同じゾリグというわけではない。しかし霊体が他世界に介入できるのはアイテムありきなので、実体ゾリグ+霊体ゾリグはあり得るが実体ゾリグが同世界に2人いることはまずありえないのである。そしてある世界のゾリグを倒したからと言って平行世界にいる全ゾリグが死ぬわけでもなく、あくまで死ぬのはその世界のゾリグのみということにもなる。…この理屈分かるかな。説明下手で申し訳ない…。

要は何が言いたいのかというと、そもそも世界とは自分を中心に何重にも平行につながっており、つまり自分の世界で起こったことがすべてではないのだ。自分の世界のゾリグが黒鉄追剥ぎ野郎であっても、余所の世界ではまったく真逆の善人である可能性も十分にある。

 

だからそもそも、シリーズ間の設定の矛盾は設定ミスでもフロム脳の暴走でもなんでもなく、単に無印の主人公の世界ではそういうことになっている、というだけの話。たとえグウィンが神族でもない青ニートにいても、たとえグウィネヴィアが貧乳のロリっ子でも、たとえグウィンドリンが本当の女の子でも、3主人公の世界ではこうなんだな、くらいで納得しなければならないのである

基本的な物語の道筋はほとんど変わらないだろうが、数々の分岐ルートの含みとして、多少の設定の齟齬もあるくらいに考えておくべきだろう。

 

 

★時空を超えた3つの祭祀場の謎

ダークソウルは時間も時空も超越した世界ということを踏まえたうえで、次に三度立ち寄ることになるそれぞれの祭祀場について考えてみようと思う。

 

まず、3には火継ぎの祭祀場が3つ存在する。普通の祭祀場と、火のない祭祀場と、火の消えた祭祀場である。

それぞれを詳しく考察してみる。

 

①普通の祭祀場

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ダークソウル3における拠点。篝火名もそのまま「火継ぎの祭祀場」

これが特に言うべきこともないノーマルな祭祀場。しかし火防女がいるのはここしかなく、他の二か所には存在していない。であればやはり、火を保つべきはここの(この時間軸の)祭祀場であり、他の二か所はやや特殊な立ち位置と言い切れるだろう。

 

②火のない祭祀場

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①普通の祭祀場を基本とするならば、ここはその過去本来はグンダがプレイヤーに代わりロスリックを巡る拠点となるはずだった祭祀場。しかしグンダが遅刻してしまったことが原因で火防女は既に息絶え、火も篝火も無くなってしまった。

グンダはその責任からか自らを篝火の螺旋剣の鞘とし、いつか火を継ぐ者への礎となることを選んだ。何もかも救えなかった絶望ではなく、いつか現れる希望を予感して。

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さらに言い換えれば「鐘が鳴る前の祭祀場」。目覚めの鐘が鳴らないということは、薪の王も火のない灰も、誰一人として覚醒する者がいないということだ。むしろ目覚ましアラームなしで起きられたグンダはねぼすけではなくむしろとんでもない早起きなのでは?…24時間不眠の侍女ばあちゃんのほうがとんでもない気がするが。もっとも、グンダが目覚めたところで火を起こすための薪がないのだからどうしようもないのだろうが。

であれば、この世界こそが闇の王エンドの末路、火を継がなかった世界なのだろうか。死んでいる火防女からは火を継がない世界を見せるという瞳が入手でき、やはりこの世界の火防女は火を守れなかったということなのだろう。ということは3の世界は闇の王エンドの続きであり、火を継がなかった過去は存在するということになる。

……………

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ピーン!グンダが遅れたっていうのは、もしかして無印時代の話だったのか!?英雄の使命とは誰かが闇の王となることを未然に防ぎ、火を絶やさないことだったということか!!なるほどなるほどー!!確かに間に合ってないわ!その結果が人の膿蔓延につながったということだろうか!

この仮説が正しければ、やっぱり火を継ごうが消そうが何にも変わらずループするってことじゃないか!真実は2のエンディングが一番正しかったのか…。所詮、何をしようが無駄ってことなのね…。

 

③火の消えた祭祀場

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物語の終盤の終盤、最初の火の炉へと続く祭祀場。火のない祭祀場が過去ならば、ここは未来の祭祀場だろうか。実体では世界を乗り越えることはできないのだから、少なくとも平行世界の存在ではないはずだ。仮に平行世界だとしても、そこで火を継いだところで救われるのはその世界だけなのだから元の世界にはまったく意味がない。

3の火継ぎが最初の火継ぎの再現ならば、王たちの化身の役回りはグウィンと同じ、自らを薪としてなんとか火を保っているのだろう。未来の祭祀場の火が消えているのも、世界中の火をかき集めているからと考えられる(同時にそうでもしないともはや消えてしまうということでもある)

わざわざ未来に移ったということは、あえて火の勢いを極力弱めるという意味もあるのだろう。火の勢いはそのまま化身の強さにも繋がるので、弱ったところを殺しやすくもなる。とはいえ、どっちにしろ燃え滓の化身の炎よりも今まで散々残り火を蓄えた火のない灰のほうが薪には適しているはずであり、化身の炎などごく少量の燃料でしかないのだが。

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…それでもなおのこの強さは、流石はあのロードランの神々だと讃えるしかない。

 

 

★次元を超える"4つめの祭祀場"

祭祀場の特性を知り、4つのエンディングから何を選ぶかで、世界も、生命も、己の人間性までも大きく変わってくる。しかし、何を選んだところで「振り出しに戻る」は変わらない。火を継いでも継がなくても同じことのループだし、周回したらリセットされちゃうし、次回作になればまた設定も変更されるだろうし(そもそも出なさそうだけど)。

だからそこは、その無意味の中に自分なりの答えを見出すしかない。全てを知ったうえで、イリーナに深みの聖書を渡すのか、グレイラットを送り出すのか、火防女に瞳を渡すのか、火を継ぐのか、継がないのか。リセットされてしまうからこそ、せめてその周に残る人たちのことを思って終わりを選ぶべきである。リセットを選んだプレイヤーには、世界を上から見下ろす権利が与えられるのだ

とはいえ所詮はゲームであり、当然現実目線で有利になる選択肢を選ぶべきなのだが、そんな有利不利を超えた本当のロールプレイっていうのもなかなか楽しいかもしれない。一人の火のない灰として、薪の調達者として、自分は世界にどう接すればよいのか…。数ある祭祀場は、火をつなぐだけでなく、時間も、世界も、我々の心にもつながっているのである。4つ目の祭祀場は、すでにあなたの心の中に燻っているんだよ…

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